「霊感商法」の正体 より パッと読み。

ーーー裁判で原告となっている元信者らは、統一教会創始者文鮮明師から売上などのノルマが出されたように証言しています。そのようなことはあったのですか。

古田「ありません」

ーーーしかし、文師はいつもお金の話をすると。

古田「いろいろな人たちを前に、さまざまな場所で人類救済、世界平和のために多くの活動をするので資金が必要である、というお話を文先生がされることは当然あります。その話が誤解を受けたか、あるいは意図的にねじ曲げて話を作ったのではないでしょうか」

ーーー証言の中には、「1983年末頃、文師が、古田社長を介して、献金目標として月額100億円を達成するようにとの指示を出し、それをTV100と呼んでいた」とありますが、事実ですか。

古田「いえ、事実ではありません。しかし、私が小柳氏と相談して、売上目標を月額100億円とすることを決め、中央本部の席上で発表してハッパをかけたことはあります」

ーーー文師からの指示ではなかったのですか。

古田「そうではありません。文先生のお名前を出すと、皆さん、非常に熱心に頑張られるということがありましたので、この目標を達成するために、小柳副社長らと相談して文先生が言われているかのように誇張して発表したことがありました」

ーーー重ねて聞きますが、連絡協議会から統一教会献金するということは、なかったのですか。

古田「ありませんでした」

ーーー最後に、連絡協議会というものがあったのなら、どうして今まで公表しなかったのですか。突然言われて、「はい、そうですか」と誰でもすぐには信じられないと思うのですが。

古田「そうですね。そう思われても仕方がありませんね。しかし、今までも、原告側の元販売員たちが、中央本部、ブロック、地区に所属していたことははっきり証言しています。これらの総称が連絡協議会であり、統一教会でなかったことは厳然たる事実ではないでしょうか」

ーーーそうであるならば、なおさら当時、なぜ説明しなかったのですか。

古田「全くその通りだと思います。ハッピーワールドや各販社は当時、何度かテレビの取材に応じましたが、私たちの真意は全く伝わりませんでした。顧客の皆さんの集まりである霊石愛好会や、山梨の製造業者の皆さんも、何度もテレビの取材を受けました。ところが、取材された内容は編集段階でテレビ局の視聴率稼ぎに都合いいように、カットされたりつながれたりで、その内容は公正さとはほど遠い歪められようでした。それはひどいものです。
 だから当時、私は記者会見をしてはっきり説明したかったのですが、そういう状況の中では、何を説明しても、それがかえって反対派に利用されるのは目に見えていました。何もしゃべらないのは、私の性格からすれば我慢できないことですが、そのように歪曲して報道されるぐらいなら、黙して語らずの方がよいと判断しました。神いまし給うならば、真実と正義は必ずいずれ明らかになるという信仰信念で忍耐し続けてきたのです。それでも、あの時に、何とかして組織のことを明らかにしていたならば、これほどまでに社会に誤解を与えることもなく、教会にご迷惑をおかけすることもなかったと思うと、残念でなりません。私自身の不徳と力の足りなさを深く反省しております」